先日、LINEの個人情報保護に問題ありとの報道がなされてからというもの、特に行政サービスにLINEを用いるのはいかがなものかという意見が強く、官庁や自治体などが続々とLINE運用を停止しています。
☞ユーザーの個人情報に関する一部報道について（3/17）

これを受けて、公式LINEアカウントを開設している西湘動物病院としては、LINEによる情報発信の継続は適正かどうか、少し立ち止まって考えてみる必要性を感じました。
（これからバンバン企画のアナウンスをLINEで行おうとしていたところだったので！）

 

というわけで、市民や国民のある程度重要な情報を預かり、かつ平等な行政サービスを提供するべき官庁や自治体が、LINEによるサービスを一時停止するのは、まあまあ妥当かなと感じる一方で、
民間企業の対応はどうかな～？と、ざっと調べてみたところ、
「安全性が確認されるまでの間、公式アカウントからの情報提供を停止させていただきます」
みたいなアカウントがわずかに見つかった程度でした。

 

私個人としては、個人情報保護を軽視するわけではないですが、LINE上で機密情報のやり取りをすることもないし、確かに韓国や中国にデータが渡ること自体には少し不安も感じつつ、サービス維持のためにはある程度仕方ない範囲だったのではないかと感じています。
ただし、それを明記しなかったことが法的に問題だったというなら、それはその通りなのでしょうし、適切に規制、監視される必要があるだろうとは思います。

今回の一件で、特に嫌韓、嫌中の人々の過剰反応を引き起こし、それがきっかけでLINEの個人使用自体が問題視される事態にもなりかねない、煽りすぎ煽られすぎな騒動にならないか心配していました。
（政府の要人とかが使用しないようにするのは当然なのかもしれませんが）

そもそもLINEがもともと韓国企業であることは昔から言われ続けてきたことで、一部の嫌韓の人たちをはじめ嫌悪感を露わにしていたことも知っています。
それでも、いつの間にかキャズムを超えたLINEアプリは、あれよあれよという間に日本人の生活インフラとなるまでに普及しました。

コロナを機に、身の回りで厚労省の新型コロナ調査や神奈川県の追跡システムにLINEが利用されるようになり、LINEもここまで市民権を得たか、という感想と同時に、行政とLINEがズブズブの状況に確かに一抹の不安と違和感が無くもありませんでした。

しかし、利便性には勝てず、当院でもLINE公式アカウントを開設し、飼い主様への情報発信を開始するに至りました。
なんと言っても、情報の即時性と到達の確実性、開封率の高さ。
ある程度のリテラシーのある方に対しての情報発信にはピッタリの媒体であると感じていたからです。
既存のブログやフェイスブックだけでは飼い主様に即座に情報を伝えることは現実的に難しいのですが、それを見事に解決してくれるのが国内の現状ではLINEぐらいしか無いのです。
（あとは自社アプリを作成するのもアリかもしれませんが、正直言って費用的にそこそこ厳しいです・・・
）

その後のLINEの公式発表などを見るに、ガバナンスが効いていないわけではない印象なので、今後適切な対処がなされていくのだろうと信じています。
今回の問題もyahooとの統合をきっかけに発覚したのかもしれませんし、だとしたら本当の大問題が起こる前に発見されて（？）良かったのかもしれません。

大阪はコロナ関連をはじめとしてLINEの活用が進んでいる自治体の一つですが、
吉村知事は、『「機密情報はLINEでやりとりすべきではない」とする一方、「現段階でシステム変更は考えていない」』との声明を出しているらしく、私もこれに同感です。

「今回の問題が直接市民に影響を与えることはないだろうが、軽視せず、個人情報の取り扱いを見直す契機にすべきだ」
という大学教授のコメントを発見しましたが、このあたりが着地点として妥当なように思います。

というわけで、いろいろと情報収集して考慮した結果、西湘動物病院ではLINE公式アカウントによる情報発信を継続することとさせて頂きます。

 

院長