学校動物飼育支援2020東京宣言
日本獣医師会学校動物飼育支援対策検討委員会
動物愛護管理法の規定に基づき策定された動物愛護管理基本方針において、「生命尊重、友愛等の情操の涵養の観点から、特に子供が心豊かに育つ上で、動物との触れ合いや家庭動物等の適正な飼養の経験が重要であることが指摘されており、適正な方法による機会の確保が求められている」と記載があります。
また、令和2年度から全面実施される学習指導要領の解説、生活編では、内容(7)において、「動物を飼ったり植物を育てたりする活動とは、動物を飼育したり、植物を栽培する中で、動植物の成長の様子を見守ったり、動植物と触れ合い、関わりあったりすることである。長期にわたる飼育・栽培の過程では、自ら関わっていくことで、児童の感性が揺さぶられるような場面が数多く生まれてくる。しかし、児童を取り巻く自然環境や社会環境の変化によって、日常生活の中で自然や生命と触れ合い、関わり合う機会は乏しくなってきている。このような現状を踏まえ、生き物への親しみを持ち、生命の尊さを実感するために、継続的な飼育・栽培を行うことには大きな意義がある」と書かれています。
このような中で、日本獣医師会は、平成10年より学校における動物飼育支援について検討を行い、地方獣医師会を中心に様々な支援を行ってきました。
しかし、学校での動物飼育、特に哺乳類・鳥類の飼育は減少傾向にあります。
その理由の一つは、高病原性鳥インフルエンザの発生に過剰に反応した結果。学校から鳥類が駆逐されてしまったこと、また、二つ目には、長期休業中のお世話が困難になってきたことにあります。かつては児童が当番でお世話のために登校していましたが、最近の社会状況の中で、児童だけで長期休業中に安全に登下校させられなくなっているからです。それに加えて教員の働き方改革が進められ、教員の負担軽減も課題となっています。
それでも私たち獣医師は学校で子供たちと動物たちが幸せに生活できることを願っています。Society5.0を生きるであろう子供たちにはプログラミング教育や論理的な思考が強く求められています。だからこそ、子供たちには心豊かに生きてほしい。限りある命を慈しんでほしい。地球の命は一つという”One Health”の概念を理解し、実践することを学んでほしい。6600万年前の白亜紀後期に起きた第5絶滅期以来の第6絶滅期に突入しているといわれる今、多様な生き物との共生社会が続くことを願ってやみません。
本委員会は、このような趣旨に鑑み、私たち獣医師が次の学校動物飼育支援に積極的に取り組むことを決議しました。
1 獣医師は、学校における動物の適正な飼育が行われるよう支援します。
2 獣医師は、子供たちが安心・安全な動物触れ合い体験ができるように学校動物飼育支援を行います。
3 獣医師は、”One Health”の概念の理解と実践のために学校における人と動物の共通感染症予防のため、様々な分野の専門家との関係・連携を深め、協力体制の強化に努めます。
4 獣医師は、地方自治体と獣医師会を中心とする支援組織の構築を検討し、子供に適正な動物の飼養経験の機会確保が図れるように努めます。
令和2年2月9日
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9:00~ 12:00 |
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16:00~ 19:00 |
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